こんにちは。PCAの(理論編+2)では基底と座標について少し複雑なトークがでてきます。この記事はそのためのものですが、そのためにとどまらず
基底と座標
そして
対角化
はとても重要なものなので是非マスターしましょう。
ここでは
基底と座標の関係を確認しよう。とはいってもいきなりやっても面白くないので簡単な例を用いてその重要性を確認しよう。例えばベクトル
![Rendered by QuickLaTeX.com p = [10, -4]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-5fa2a0dcd3b5e3a2335d50f58078d198_l3.png)
は僕たちが無意識に使っている
標準基底というもので
(1) 
つまり座標は
![Rendered by QuickLaTeX.com [10,-4]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-a9c173d9fa3a435555187e932e8b921d_l3.png)
とかけます。ところが次のような基底

を考えると
(2) 
となり、これはつまりベクトル

は

を基底としてみるとその座標は
![Rendered by QuickLaTeX.com [2,8]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-d6d456207d3294ea6ab2dd6fcd58e092_l3.png)
となり
標準基底で見たときの座標と異なっている、という事実が重要です。これを一般化しましょう。
というベクトルを考える
はそれぞれ異なる基底とする

と

の関係式がわかれば異なる基底間での座標変換ができますよね。進めていきましょう。

これを全

で行うと

となり、両辺に右から

をかけると

となりcの形がわかりました。さらに

が

を

で書いた時の座標であることに注意すると

となり
基底
での座標から基底
での座標への変換行列が
Mとわかりました。となると

でその逆の変換ができることもわかります。
これを先ほどの例に適応し確認してみましょう。標準基底
(3) 
から次の基底
(4) 
への座標変換行列Mは各

を

で書いた時の座標を並べればいいので
(5) 
です、これをもちいて計算すると
(6) 
とたしかに先ほどと同じ結果になりました!今回はMを基底を元に書き換えましたが考える2組の基底のうち片方が標準基底の場合は簡単に求まります。なぜなら

を

で書くと座標は

そのものになり逆行列を計算するなりすればいいからです。
では次に
対角化についてです。まずは次の問題を考えてみましょう。僕たちにとってポピュラーなの標準基底

を使う空間において
![Rendered by QuickLaTeX.com \[ A = \begin{pmatrix} 1&-2\\2&1 \end{pmatrix}\]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-aded90d3b16e183728a8cd07d9c73563_l3.png)
という行列による線形変換を考えます。つまり

この❓にはどんな行列が来ますか?青矢印のルートと赤矢印のルートは等しくなる必要があります、なので

この行列Xは

と求まります。
だからなに?
ですよね。とりあえずここからわかることは
標準基底

の空間での線形変換行列が
![Rendered by QuickLaTeX.com \[\begin{pmatrix} 1&-2\\2&1 \end{pmatrix}\]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-e5df20588eb9bc6a9f5f74838e4a91ee_l3.png)
は基底

の空間では
![Rendered by QuickLaTeX.com \[\begin{pmatrix} 1&2\\-2&1 \end{pmatrix}\]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-57735bb3d1f8236bc21dfabf84449a79_l3.png)
この例では特に面白いことはありません、、、、

が

の固有ベクトルでない。一方で
![Rendered by QuickLaTeX.com \[B = \begin{pmatrix} 0.5&1.5 \\ 1.5&0.5 \end{pmatrix}\]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-1fbfe13ba5bc0d2d0fb29b05b170fe60_l3.png)

こんな例を考えると
おっとーーーーー?
基底
の変換行列が対角行列になった!
この時の
基底
は行列
の固有ベクトルになってる!実際、

となりたしかに
![Rendered by QuickLaTeX.com \[Bx = \lambda x\]](https://research.miidas.jp/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-fd3ea5c5de212acafd70bb79ec368149_l3.png)
となっている!
で、なにがいいの?
まずは

計算量が少ない。これはでかい、
メリットそれだけ?
可視化で確認しよう!
つまり
データが見やすくなる
本日は基底変換、座標変換、対角化について学びました。これで引き続きPCAに取り組みましょう。
でわ